いままでの裁判の経過

個人情報(調査委員会資料)不開示処分取消請求・第1次訴訟

2021年1月22日 提訴

 原告の解任理由の元となる情報は調査委員会の報告書である。従って、原告がこれにアクセスできる権利があることは当然である。そこで、2020年9月18日開示請求したところ、12月15日不開示処分の通知がきた。
 これは、調査委員会の資料は不可分一体のものであるとして、部分開示もせず、全部を一括して不開示とする違法、不当なものだった。
 そこで、原告は、不開示処分取消訴訟を提起した。

  【訴状(全文)は、訴訟の内容(3)に掲載】

2021年4月9日 第1回口頭弁論  午後3時30分 (公開)

 北大は、4月2日付け答弁書を提出したが、請求の趣旨に対する答弁のみで、請求原因に対する認否・反論は先送りにした。 【掲載は省略】

2021年7月16日 第2回口頭弁論 午前11時 (公開)

■ 北大は、7月6日付で、訴訟の対象である2020年12月15日付不開示処分を取り消し、同日付で新たに開示決定と不開示決定を通知した。そして、これに基づいて7月9日付準備書面⑴(52頁)を提出した。 【掲載は省略】
 これにより、調査委員会の資料の大部分が開示されることになり、北大の法無視のご都合主義的な対応が明白になった。
 弁論期日では、裁判官は、原告に被告準備書面⑴に対する反論を求め、次回を9月17日(金)午前11時30分と決めた。

■ 原告は、前記7月6日付開示決定に基づいて、7月29日に北大に開示を受けに行った。すると、開示はしたものの、ほとんど真っ黒塗りで、開示の実態をなさないものだった。 【掲載は省略】

2021年9月17日 第3回口頭弁論 午前11時30分 (公開)

■ 北大が、不開示決定を取り消し、新たに開示決定をしたのは、不開示決定の違法性が明らかであり、敗訴必至と判断したからである。
 では、新たな開示はというと、例えば、事案資料7の「録音反訳」は、全10頁のうち、開示されたのは年度(月日は不開示)と原告名、原告のメ-ルアドレス、被告名とその住所だけであり、5頁目以降は、行の頭に付された「・」まで黒塗りである。これでは、「録音反訳」と言っても、月日も場所も話の内容も何一つ分からず、「全部不開示」と違わない。

■ このような北大の「一部開示」は、実質的には、違法な「全部不開示」を維持しようとしたものであり、このようなやり方が通るならば、実施機関は、請求者から取消訴訟が提起されたら、取消と新たな開示決定を繰り返すことで、請求者の司法判断を求める権利・利益を失わせることができる。
 そこで、原告は、開示・不開示の法適用基準の明確化と被告のようなやり方の肯否を問う新たな裁判を提起することにし、本訴訟を取り下げた。